「またぞろ」とは「またそうろう(又候)」から転じた言葉で、またまた、とかまたもや、という意味です。
宮部みゆきの文章によく出てきます。確か。
初めて見たときは意味もよく分からないでスルーしたんですけど、
読んでいく内に結構な頻度で出てきたので3度目くらいで辞書を引きました。
またぞろって語感が何か楽しいですね。
元々の形が「またそうろう」であったのも中学の頃「さうらふ(そうろう)」を初めて習ったときのことを思い出します。
くだらない下ネタばかり言って喜んでいたあの頃が懐かしいです。
だからというわけでもないんですけど、シリアスな展開で「またぞろ」が出てくると
シリアスさが一気に減少してしまいます。
またもやという言葉の中には物事が繰り返して起きる、という意味が含まれて、
それ自体は中立的な立場だと思うんですが、
何となく繰り返しによってウンザリしている感じもあると思うんですよ。
どっちかっていうと良くない感じのニュアンスかなと。
彼の告白はまたもや成就しなかった。
という感じで。まあもちろん
彼の告白はまたもや成就した。
でも良いんですけど、そういう場合は度々、とかその他の表現を僕は使います。
それでまたもやの部分を同じようにまたぞろに置き換えてみると、
彼の告白はまたぞろ成就しなかった。
となるんですけど何故か激しく違和感があります。
僕が使い慣れていないせいでしょうか?
ふられた彼には悪いんですけど、何だかコミカルな感じさえします。
逆に考えると、またぞろを使うことによって辛い出来事でも笑い飛ばせるようになるんじゃないでしょうか?
と考えたので実際にやってみました。
またぞろ再レポをくらった。
またぞろ教授のお叱りを受けた。
またぞろ実験が上手くいかなかった。
またぞろお金が無くなった。
またぞろ……
あれ、辛くなってきたぞ……?